染めもの」カテゴリーアーカイブ

りんごの剪定枝で原毛を染める

 

前回、被染物に対して100%の濃度で糸を染めたりんごの枝。今回はより濃色を目指して200%の量で染めます。枝は糸染めに使った枝とは違う農園のもので葉も多め。

剪定鋏で4〜5cmの長さにカットして水から煮出します。1番液は約4Lの水で抽出。初めは薄い黄色がゆっくりと出てきて、温度があがると紅茶のようなしっかりとした染液がとれました。2番煎じは3Lの水を入れ、予想通り薄い黄色にしかならず、今後は1番だけか2番以降はアルカリ抽出にする方がよいかもしれないと思いました。

錫で先媒染しておいた毛を染液に浸けるとすぐに黄色くなりました。しっかり熱して火を止め、ある程度冷めるまでそのまま置きます。

 鮮やかな黄色に染まった羊毛。

この頃錫媒染ばかりしているのには理由があって、持っていたはずの明ばんを紛失してしまったのです。結構な量があったはずなのに。持っていなかったのかなとも思ったのですが、過去の染色記録で明ばん媒染をしていることが判明。いったい何処へ行ってしまったのか。錫は発色がきれいなので良しとします。

黄色い糸紡ぎが楽しみ。

 

 

 

コチニール染め

工房のお弟子時代にいただいたこのコチニール染料は、すりつぶして一番をとったあと乾燥させていたものでした。いつかいつか染めようと思いながら、コチニールを煮出した時の独特な匂いが苦手で、ついに7年も寝かせてしまいました。

これまで染めたコチニールの色見本の中にすりつぶしの二番煎じの色がなく、この染料にどれくらい赤い色が残っているのか想像ができないことが探究心をくすぐられるようで。ではどこまで赤色が出るか、試してみることにしました。

羊毛は錫酸ソーダとクエン酸で先媒染しておきます。

コチニールが約17gあったので毛の量は170gにしました。(被染物の10%です)

二番煎じからのスタート。染料の10%の酢酸を入れて酸性抽出します。

火にかけるとみるみる水の色が変わりました。二番煎じは、紅茶のようなオレンジ色の染液がとれました。粒の状態ならもう少し赤くなったと思いますが、すりつぶしたコチニールの赤は一番煎じでほとんど出てしまったようです。

三番は酢酸を入れずに煎じてみました。二番よりもぐっと色が薄くなりました。二番と三番を合わせて使いました。

染め初めはオレンジ味が強く、温度が上がるにつれて媒染剤と反応しながら色が変化していき...。

翌日、羊毛はすっかり染液を吸収して鮮やかなピンク色になっていました。

 

コチニールには近隣で採る植物染料とはまた違った良さがあります。これまで優しい雰囲気の作品を作ってきましたが、この力強い色を使って、気持ちがウキウキするような色鮮やかなホームスパン作りにも挑戦してみたいと思っています。この思いについてはまたゆっくりと書きたいと思います。

 

※ 染色の時によく登場する紗の袋。これはシルクスクリーン捺染の版に使う布です。コチニールのように何番も煎じる時などに便利です。抽出後、染液を漉す時はいつもザルと濡らして固く絞った晒を使うのですが、細かい染料は袋に入っていると扱いやすくておすすめです。紗は染料屋さんなどで購入できますよ。

 

 

 

蘇芳染め

前回のりんごの枝から間もなく、蘇芳染めをしました。

この染料なんと学生の頃に学校の購買で求めたもの。数年どころか十数年、数十年!?前の染料でした。大事にとっておいたのは、当時の授業がとても面白かったから。植物をみる目が変わったことを覚えています。

昨年帰省したとき、実家の押し入れから持ち帰りました。蘇芳の他に、ざくろ、やまももが残っていて、これらも今年中に染めてみたいと思っています。

染めの手順を簡単にですが記しておきます。

蘇芳チップは被染物に対して60%用意。錫酸ソーダ2%とクエン酸6%で先媒染しておきます。参考書によると蘇芳の染液は酸化しやすいので抽出する鍋に被染物を一緒に入れて染めるようです。やってみました。

この後、簡易的に日向堅牢度を検査しましたが、若干の褪色が見られました。酸化しやすい染料は色の定着が強くはないのかなと思います。それでも赤系の染料としてホームスパン制作に十分に使えるものである事が分かったので、だんだんと作品に取り入れていきたいと思います。

染めものばかりしていた三月。次の日記にはコチニール染めの事を書きたいと思います。

 

 

 

林檎の枝染め

 

草木染の記録です。

岩手から北海道へ移住する前にいただいた林檎の枝。4年前に剪定されたものでしたがアルカリ抽出しなくても大丈夫でした。今回染めたのは中細の紡績糸です。染料は100%で糸と同量を用意。34cmの長さに細かく切りました。その方が色が出やすい。媒染は錫酸ソーダ2%、クエン酸6%の先媒染。

染液の抽出は2Lの水で30分沸騰させながらを計3回。とれた液に湯を足して大体糸の3040倍になる量に調整。媒染も染色も3040℃から始めて沸騰にもっていく。

今は濡れていて濃く見えているから、乾くと少し淡く感じるかもしれない。

雪が溶け、部屋にあたたかい陽が差し込む季節。自然と身体も動き出す。

機には今、すこし時間のかかるノッティングがかかっています。これを終えたら、また違う素材の織りに挑戦予定です。

 

 

 

桜の落ち葉染め

10月の初め、家のすぐそばの桜の葉が落ち始めました。落ち葉にも色を持つ木があって、山葡萄の紅葉で染めたことがありました。そろそろ染めも再開しようと、今年は桜の葉で染めてみることにしました。

家族で小ぶりなザルいっぱいの葉を集めました。できるだけ落ちてすぐの赤や黄色の葉を選んで拾います。葉は土に還る準備をしているものもあり、全体に茶色で柔らかくなった葉もあります。そういう葉はそっと見守ります。たくさん拾えました。

土が付いていればさっと水洗いして鍋に入れます。いつも使っているのは中古品で安く手に入れたラゴスティーナのパスタ鍋。蓋がボウルの役目もはたす優れもの。底も厚くて丈夫、台所での少量の染めものや小枠に巻いた糸蒸しにぴったりなのです。

煮出す時の水量は葉がひたひたに浸かるくらい。今回はおおよそ1Lくらいでしょうか。火にかけて沸騰したらそのまま2030分煎じました。なんだか桜餅のにおい。いいにおい。液を濾して取れるのが1番煎じ。葉を鍋に戻してまた1Lの水を入れ煮出す。2番煎じです。

3番煎じからアルカリ抽出にしてみました。水1Lあたり0.5gの炭酸カリウムを加えます。すると葉の中の色素が一気に押し出されるように色が濃くなります。同じように4番、5番と液をとりました。

今回は35番までの液を合わせて使います。鍋に保管して、時々ストーブで温めながらカビの発生を防ぎ、約1ヶ月寝かせてみました。寝かせることで赤みが出るか試してみます。

いよいよ染めます。錫で先媒染しておいた毛を、3040℃に温めた染液に浸します。ストーブの上にあげてゆっくりと染色。沸騰から3040分火にかけて、火からおろしてそのまま翌日まで置きます。湯気がすごい。

翌日、染液から出した毛をぬるま湯で23回溜めすすぎをして脱水し、広げて乾かします。柔らかい毛だったので可愛いくすみベビーピンクになりました。糸紡ぎが楽しみです。

 

染色メモ:毛(ハーフブレッド)100g 桜の落ち葉107g 錫媒染()2% クエン酸6% 酒石英1%