桜の落ち葉染め

10月の初め、家のすぐそばの桜の葉が落ち始めました。落ち葉にも色を持つ木があって、山葡萄の紅葉で染めたことがありました。そろそろ染めも再開しようと、今年は桜の葉で染めてみることにしました。

家族で小ぶりなザルいっぱいの葉を集めました。できるだけ落ちてすぐの赤や黄色の葉を選んで拾います。葉は土に還る準備をしているものもあり、全体に茶色で柔らかくなった葉もあります。そういう葉はそっと見守ります。たくさん拾えました。

土が付いていればさっと水洗いして鍋に入れます。いつも使っているのは中古品で安く手に入れたラゴスティーナのパスタ鍋。蓋がボウルの役目もはたす優れもの。底も厚くて丈夫、台所での少量の染めものや小枠に巻いた糸蒸しにぴったりなのです。

煮出す時の水量は葉がひたひたに浸かるくらい。今回はおおよそ1Lくらいでしょうか。火にかけて沸騰したらそのまま2030分煎じました。なんだか桜餅のにおい。いいにおい。液を濾して取れるのが1番煎じ。葉を鍋に戻してまた1Lの水を入れ煮出す。2番煎じです。

3番煎じからアルカリ抽出にしてみました。水1Lあたり0.5gの炭酸カリウムを加えます。すると葉の中の色素が一気に押し出されるように色が濃くなります。同じように4番、5番と液をとりました。

今回は35番までの液を合わせて使います。鍋に保管して、時々ストーブで温めながらカビの発生を防ぎ、約1ヶ月寝かせてみました。寝かせることで赤みが出るか試してみます。

いよいよ染めます。錫で先媒染しておいた毛を、3040℃に温めた染液に浸します。ストーブの上にあげてゆっくりと染色。沸騰から3040分火にかけて、火からおろしてそのまま翌日まで置きます。湯気がすごい。

翌日、染液から出した毛をぬるま湯で23回溜めすすぎをして脱水し、広げて乾かします。柔らかい毛だったので可愛いくすみベビーピンクになりました。糸紡ぎが楽しみです。

 

染色メモ:毛(ハーフブレッド)100g 桜の落ち葉107g 錫媒染()2% クエン酸6% 酒石英1%