これから

 

機から離れている時間がこんなに良いものだと気付いたのは自分でも驚きでした。岩手に長期滞在するために大きな高機を北海道に置いていかなければならないことになり、その時は本当に寂しい気持ちになりました。お守りのように持ってきた杼ももちろん使うことなくダンボールにしまい込んだまま。だけど不思議とだんだん開放的な気持ちになっていきました。数年ぶりの岩手で変わらない空気感に身をゆだねて、ホームスパンを通して出会った友だちとの再会、手持ちの少ない道具と材料での手仕事、柚木沙弥郎さんの展示をみたりホームスパン作品をみたり。色々な布に目を向ける時間。

この頃小さな布を織ることが多かったと思い返しています。布を裁断することがあまり好きではないのでマフラーやショールみたいにカタチのあるものを織ってきましたが、大きな布を織りそれで何かを作ってみたい、そんな思いがふつふつと浮かんできています。そう思えたのは、環境を変えて織りに対してのゆとりができたからかな....。

今は道東に住んでいた時に貰った羊の毛を紡ぐ準備をしています。量があるのでたくさん糸を作って、大きな布を織ろうと思います。ひとつの夢です。