トリのこえ

縫製をお手伝いしている工房のアトリエ。川をみながらミシンをふんでいたら、聞き覚えのある声が聞こえました。

これはきっと白鳥に違いない。

視線を空に向けると、大きく羽を広げて、1羽だけ、飛んでいました。

もう、冬なのかな、紅葉もまだなのに。

白鳥の声はけっこうでかいです。来たよ、と叫んだのかもしれません。

何羽か一緒だと、綺麗な列をつくって飛びます。綺麗です。

鳥を見るのが好き。

鮭の遡上と白鳥の飛来、日に日に黄色くなっていくイチョウの葉。

ぜんぶ、自然な流れだなぁ。

織りに向かう気持ち

だんだんに寒くなる季節。秋を感じる間も無く、もう冬がやってきてしまいました。外気温一桁が当たり前のここ数日、ずっと暖房器具をつけないでいましたが、今日はさすがにエアコンのスイッチを入れました。寒さも、気づかないところで身体にストレスになっていたりします。あたたかい部屋で、あたたかい飲み物を飲みながらゆっくり本でも読もうかな。

9月の東京スピニングパーティーに続き、11月に大きなイベントを2つ控えた工房は大忙しです。先日カリンで染めた原毛はあっという間に糸になり、織り、そして織下ろしました。初めてのホームスパン。緯糸が双糸だったのでいくらか織りやすさはあったものの、まず、打ち込み過ぎてはいけないというところでの難しさがありました。木綿の風呂敷は、バンバンと力を込めて打ち込みます。ウールのマットも、力はいりませんが隙間なく織ります。ホームスパンはというと、とめる、というのが基本、らしいです。筬をとめる。後の縮絨という作業で糸同士がくっつきながら縮むので、密に織ってはいけないのです。なかなか、難しいです。

まだ織りを始めて一年ですが、ひとつ織るたびに課題があり、工夫したり苦戦したり。難しさがあっても、不思議と大変さは感じていないような気がします。むしろそこに楽しさが、ある。

譲ってもらった回転式整経台で、先日ついに整経をしました。工房で使っている大きな整経台と違い、糸の張りが均等にいかないので、ところどころたるみが出てしまいました。これをどうにか機にかけ、今月中には織り始められたらいいなと思っています。

自分の機で織る初めての布です。

楽しみをひとつひとつ見つけて、楽しい冬にしたいです。

真冬が来る前に、散歩もしよう。

・・・

野良猫センサーが敏感な日は、ちょっと外に出ただけでたくさんの猫に会える。

いつもすぐ逃げる猫が、この日もすぐに逃げた

カリン

先日、工房でカリン染めをしました。カリンは枝や葉っぱから色がとれます。押切りという道具で葉っぱのついた枝を5〜6センチに切ります。1キロちょっと、欲しかったので、乾燥した枝を何本も切りました。ひたいに汗がにじむくらい、力のいる作業でした。

より色が出やすいように、アルカリ抽出という方法で煎じます。

香ばしい匂いが染め場から漂ってきます。昨年採取された枝だったそうですが、色は出ました。

染め場に2つの小さな木っ端がころがっていました。これも入れればよかったなぁと思いながら、でももう煮出しが終わった後だったので、持って帰りました。

染液に浸かった羊毛は、優しいミルクティみたいな色をしていました。媒染する前の、その色が、好きな色でした。いつかこういう色で、あたたかい布を織りたいな。

翌日、銅媒染をしました。酢酸銅を使いました。劇薬ではありませんが、すごい鮮やかな色が付いている粉。なんだかノドが痛いような気持ちになりました。実際には痛くないのかもしれないのに、痛いような気になるなんて…色って不思議。

銅媒染によって赤みの茶色に変化した毛。

この毛を使って、紡がれた糸を、実はなんと私が織りを担当するらしいのです。工房に来て一年、木綿の風呂敷やウールのマットなどいろいろ織りましたがそれはいつも紡績糸。手紡ぎ糸、ホームスパンを織ることは初めてです。

このカリン染めの毛が、どんなふうに布へなってゆくのか…楽しみです。

さて

自分の機は、休眠モード。ミシンと型染めの仕事がひと段落したら、また再開しよう…。

それから

blogも、もうすこし頑張っていきます。

二年目の秋

盛岡に暮らし始めて、今日でちょうど一年が経ちました。少しずつ感じる冷たい空気が、ここに来たばかりの頃の気持ちを思い起こさせます。期待と不安で心細いような、でも、ここで頑張るんだという強い気持ちのような。

時々 遠くに散歩をしても、旅をしても、帰ってくるのは、ここなんだなぁと、思った。ぜんぜん知らなかった街なのに、今はもう、知っている。

どんな気持ちを持って生活していくか、ちょっと見直してみようかな。

今、学んでいることを、どんな風に生かしていけるかな。

挑戦したり諦めたりしながら、少しずつだけど、前に進んでいきたいな。

淡い色の三毛猫がいた