歩くこと

最近あまり歩かなくなっています。

神奈川にいた頃は毎日8〜10キロくらい歩いていましたが、今、工房への行き帰りはほとんど自転車で、少し遠出するような時は誰かが車に乗せてくれます。

この頃よく雪が降って、ある朝、出発の時間になっても溶けていないことがありました。

自転車でも余裕で走れる感じはあり、どうしようかなと少し考えて、でも、凍っている地面は危ないので歩いて行くことにしました。

家を出て通りまで行くと、まだタイヤを換えていないのか、ゆっくりと走っている車がいました。なんとなく、自分の足元にも緊張がはしります。

川沿いの道を歩いて、途中で曲がって、大きい道路に出ます。その、曲がったところで、一本の木に目がいきました。

ちいさい赤い実が、なっていました。

すぐに雪ウサギが思い浮かびました。これを雪ウサギの目にしたらちょうどいい。

実が落ちていないか辺りを見回しました。

予想通り、いや予想以上に大きい、赤い実をつけた房が、雪の中に埋もれていました。

二粒あれば十分だと思っていたのに、こんなにたくさん、どうしようかと少し考え、そっと拾いました。

房は凍りかけていて、指先に冷たさが伝わってきます。足元にも注意しながら、冷たい実を持ったまま工房まで歩いて行きました。

途中、歩道の脇に生えている草を見て、雪ウサギの耳になるかどうか判断している自分がいました。雪ウサギをつくるかどうかもわからないのに。

工房に着いてから、実をティッシュにくるみ、鞄に入れておきました。

夕方家に戻ってから取り出すと、実は転がり落ちることなくしっかりと房についていました。

このまま部屋で乾燥させることにして、ミシンテーブルの上に置きました。

雪ウサギの目に、ほんとうにちょうどいい実だなぁと、何度も思います。

歩くのが、すき。